物流か生産か 物流の本質をとらえろ

 

物流というと何か特殊な範囲の狭い業務としてとらえる人が多い気がします。特に物流を輸送と倉庫保管に代表される狭義の仕事として論ずるケースによく直面します。

 

 

 

もちろん、輸送業務だけの論議もあれば倉庫保管だけの業務もあります。それは輸送距離や倉庫立地となればあまり他の要素が絡んでこないため、特化した話でもよいのでしょう。

 

 

 

しかし大半はそれで片付く話ではありません。たとえば在庫の話。倉庫の観点からは在庫の量があってその分だけ置けるかどうか、という論議になりがちです。

 

 

 

ただその論議は結果に対してどうこういうだけのことで本質をとらえていません。本質とはもちろん在庫の量がそうなる要因のことです。

 

 

 

在庫は何かしらの行為の結果として現れます。モノを必要以上に買いすぎたので在庫が増えた。製品を作りすぎたために製品在庫が生じた。販売予測が外れて余剰在庫が膨らんだ。

 

 

 

このような要因があって在庫が発生し、それを保管する倉庫が必要になるという関係です。受け身の物流では発生した在庫の置場を考える、ということになるでしょう。

 

 

 

しかしそれでは物流マネジメントではなく、単純な物流オペレーションにすぎません。私たちはもっと積極的な物流の仕事をしていくことが求められています。

 

 

 

だからこそ単純な物流機能だけの論議では本来見るべき点を見失ってしまうのです。ここを誤解しないようにしたいものです。

 

 

 

在庫を保管するために保管エリアが必要。そのエリアは倉庫がよい。在庫の発生要因は生産だ。こうなると生産行為の一部としての物流(保管)という考えになります。

 

 

 

さていろいろと述べてきましたが、重要な点に触れておきたいと思います。それは生産がわからないと物流を論じることができない、ということです。少なくとも今回の事例ではそういうことになります。

 

 

 

そこで物流担当者は何かしらの形で生産活動に携わったことがある人である必要があります。工場にいたことがある、生産管理の経験がある、メーカーの物流業務に携わったことがある経験者です。

 

 

 

もし生産を知らない人が物流だけの狭い視点で話をするとピントがボケて本質をとらえられなくなってしまいます。

 

 

 

「私は生産を知らないから」という言い訳は物流では通用しません。もちろん、いわれたオペレーションをやるだけであればこの限りではありませんが、それでは物流マネジメントを行っているとはいえません。

 

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

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