海外で物流業務を行う際の「人のマネジメント」も国内とは大きな違いがあります。物流の悪いところでもあるのですが、日本では作業の概略は説明するものの、作業手順や作業速度などは作業者任せにしているところが多いようです。
比較的物流は初心者でもやりやすい仕事であるという理由と、管理者のマネジメント力不足の理由からそうなっていると考えられるのです。
前者の理由はものづくりに比べて作業が比較的単純であり、誰でもできる仕事が多いことに起因します。たとえばピッキング作業であれば、オーダーシートを見てその品物を取り出すという仕事です。特殊な技術を必要としません。
後者の理由は物流が人財が育っていない業種であることがその根本にあります。本来であれば仕事を標準化し、それを部下に教え込む必要があるのですが、そのプロセスさえできない人が管理者になっているという事実があります。
しかしこれは日本だから成立していることと考えるべきです。なぜなら、日本以外の国は大方契約社会だからです。従業員といえども、会社との間にある種の契約が成り立っているのです。
その例を考えてみましょう。ピッキング作業であれば、作業のやり方を定義し、その通りにやってもらうことが従業員との間の契約ということになります。
もしここで作業手順や品質のポイント、作業速度などを規定していなかったらどのようなことが起きるでしょうか。
商品に傷がついたり、納期に作業が間に合わなかったりする可能性があります。最悪、顧客へのデリバリーに支障をきたすことも出てくるかもしれません。
この時に日本の常識で従業員を叱るとどうなるでしょうか。従業員にしてみれば指示されていないことで叱られている、これは理不尽だと感じることでしょう。
この例の場合、日本と同様に作業者任せにした管理者の責任だと考えるべきだと思います。海外の場合、任せれば「思った通りに動いてくれる」ということはあり得ません。
人のマネジメントに苦労する日本人支援者がいますが、まずはその支援者を教育する必要があると思います。
やはり最低限、仕事の基準と手順を定め、その通りに動いてもらうようにトレーニングすることが海外では必要になってくるのです。
次回に続きます。
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