工場内物流進化の勘所(3) 工場内物流進化の最終形

工場内物流はモノと情報を生産工程に届けます。この行為を通して生産統制を行うことができるのです。

生産工程は何はさておき部品や資材が無いことには生産を実施することができません。生産指示情報が届けられますが、たとえば指示数が40個であったとしても、実際には60個生産することは可能です。

もし60個分の部品が手元にあり、余裕工数があればの話です。本来であれば余裕などないはずですが、きちんと工数管理ができていない会社であれば余裕があってもおかしくありません。

ところがこのような生産指示数以上の生産は余分な在庫をつくってしまうことになります。今どき先行したからほめてあげようなどという会社は無いでしょう。

なぜなら「つくりすぎ」は最悪のムダだからです。遅れは許されないが先行は許されるといった間違った認識は捨てるべきです。

これをコントロールすることができるのが物流です。物流は生産に必要な部品を必要な数量だけ届けます。1個でも多く届けることは許されません。

さらに届けるタイミングも重要です。あまり早く届けると生産工程が早く着手してしまいます。そうなると製品在庫が増えてしまいます。ですから届けるタイミングは生産計画上の生産開始の直前だということになります。

この物流の動きは工場の生産秩序を保つもので、大変重要なものです。工場内物流進化の最終形に近いものがあります。

物流の仕事の中では積極的に動くことで貢献できる数少ないものといえそうです。今まで受身であった物流が積極的な動きを取る。これによる工場の体力向上は相当なものであると考えられます。

一方で工場内物流が自らの効率化を免除されているわけではありません。同じ仕事をいかに短時間で実行していくか、常に進化が求められるのです。

一般的に物流はわが国では最も生産性が低い産業であると見られています。これは事実であって私たちは改善していく責務を負っていると考えるべきでしょう。

顧客に対する貢献度の向上と生産性の向上。この2つはいつでもセットで考えていかねばなりません。社会で不可欠、かつ効率のよい産業の仲間入りができるように頑張っていきたいものです。


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