専門家でなくても物流改善(3) 物流にさまざまな要望を出す

物流の専門家でなくても物流を改善することに貢献できる方法はまだあります。それは物流に対する要望を出すことです。

物流改善というとコスト削減や品質向上などが真っ先に頭に浮かびますが、改善すべきはそれだけではありません。もっと重要なことがあります。

それは何か。ずばり物流水準の向上です。その中でも特に注目すべきは物流サービス水準の向上だと思います。

そして物流サービスの恩恵を受けるのは企業だけではなく、個々の消費者でもあるわけです。ということは一消費者であっても物流に対する要望を出すことで、物流サービス水準の向上に寄与できるということになります。

良い物流事業者には必ず良い荷主が存在します。では良い荷主とはどのような荷主のことを指すのでしょうか?

高く物流を買ってくれる荷主でしょうか。長く取引を続けてくれる荷主でしょうか。たしかにそのような荷主は物流事業者にとってはありがたい荷主であることは事実です。

しかしもっと端的に良い荷主を定義するならば、それは「物流事業者を鍛えてくれる荷主」といえると思います。

いつもいろいろなリクエストを出してくれる荷主、一緒に改善活動に取り組んでくれる荷主、厳しい指摘をしてくれる荷主です。

荷主から「ああして欲しい、こうして欲しい」と言われたら物流事業者はどう対応するでしょうか。単にうるさいことを言う、付き合いたくない荷主だと思うのでしょうか。

筆者はよく物流事業者を訪問しますが、このようなうるさい、リクエストの多い荷主を抱えているかどうかは物流現場を見ればすぐわかります。

逆に現場の整理整頓もできていないような事業者は大抵良い荷主を抱えていません。荷主がうるさく言わないと改善しない事業者は競争力にも欠けることでしょう。

ですから物流をアウトソースしている会社も、社内に物流現業組織を保有している会社も、社内外の物流プレーヤーに対してどんどん要望を投げかけましょう。

多頻度配送、荷姿の小型化、流通加工しながらの供給、何でもよいのです。それにどう応えるかでプレーヤーの体力が向上します。そして物流サービス水準が改善していくのです。

いかがでしょうか。物流と関係のない第三者でも物流の向上に貢献できることはあるのです。ぜひ物流への要望を出していきましょう。


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