宅配事業への参入が簡単ではないことは前回ご説明した通りです。これは最後に消費者に届けるラストワンマイルの難しさにも表れています。
ラストワンマイルとは宅配事業者の配送拠点から、各消費者宅まで配送する行為を指します。
企業間物流であれば一定量の物流があり、荷物の受入場も完ぺきではないにせよ整備されています。トラックで進入できますし、フォークリフトでの荷役も可能です。
しかし宅配ではすべてが個別のお客様であり、毎日一定の物量があるわけではありません。手荷役が原則です。しかも荷物を受け入れるためのインフラが整備されているわけではありません。
トラックを止める場所も原則として無いようなものです。路上に駐車し、他の交通の邪魔にならない様気にしながら届けなければなりません。
届け先に行っても階段やエレベーターを使って個々の消費者宅まで行く必要があります。マンションではオートロックの扉を開けてもらうために呼び出し行為も必要です。
オートロック、階段、エレベーター、狭い通路など、物流事業者泣かせの関門が多数存在します。うまく消費者宅までたどり着けても「不在」という関門が待ち受けています。
時期や時間帯にもよるのでしょうが、不在率は20%を超えるともいわれています。再配達が必要となり、二度手間三度手間となりがとです。
今度は宅配作業員の難しさを考えてみましょう。先ほどの動線の問題に加え、不在時の消費者とのやり取りが存在します。
消費者から電話がかかってきたものに対して対応しなければなりません。限られた時間の中で膨大な量の荷物を捌くだけではなく、消費者対応があるのです。
物流サービスの一環として「代引き」の仕事もあります。つまり宅配業務は他の単純な輸送業務とは別の仕事と考えた方がよさそうです。
宅配事業者によってはセールスドライバーと称し、いろいろなものを行った先で売らせるようにしています。
もう一つの難しさはお中元、お歳暮といった季節的波動をもたらす要因です。海外ではクリスマスシーズンの物流がこれにあたります。
こういった難しさを克服して実行していることが他業者を寄せ付けない要因といえそうです。しかしこれがネックとなって仕事がうまく回らないことがあることも注目が必要です。
次回に続きます。
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