世の中に存在する「もの」は調達、生産、販売の流れで消費者の手元に届き、それが消費されていきます。この流れの一部が「運搬」なわけです。
しかしあくまでも一部であって、その運搬に対していろいろな影響を与える他の行為が多く存在するのです。
そしてまた一部ではありますが、「保管」という行為も物流に分類されるものとして存在しますが、これも運搬と同様に他の行為からの影響を受けることになります。
そしてこの「運搬」と「保管」は自らの立ち位置だけでは解決できない問題点がたくさんあります。そこで影響を与える他の行為についても知識を持って、何かしらの対応をしていくことこそが、大きな視点での物流管理ということになるのです。
生産管理はその他の領域をほとんどカバーしています。たとえば部品調達についても生産管理の一環ですが、調達のやり方次第で物流がよくもなり悪くもなるのです。
生産計画に同期させて部品を調達すれば、調達在庫は最小で済むはずです。しかし生産計画を無視したり、同期させなかったりすればたちまち調達部品在庫が発生します。
場合によっては部品欠品を招き、生産に支障をきたすことでしょう。そうなると特便を走らせて部品を調達するなど、物流に悪影響を及ぼすことになります。
物流に携わる人は、物流業務そのものの内容を知る必要があると同時に、物流の成り立ちについても知っておかなければなりません。
ものの調達の仕方、ものの生産の仕方、在庫の発生要因など、まさに物流を成り立たせるための要素ですから、真っ先に学ぶ必要がありそうです。
繰り返しになりますが、自分たちは物流スタッフなので生産管理は関係ない、などと考えるのは全くもって間違っています。
むしろ物流管理は生産管理の一部なので、全体像としてそれを知っておくことが基本中の基本です。物流業務の詳細は、生産管理の全体像を把握してから学べばよいでしょう。
ですから、社内で物流スタッフを育成するときには、まず生産管理の知識を学ばせ、それが身についたところで物流管理を勉強させればよいと思います。
これはメーカーに限った話ではありません。輸送や保管を専門に行っている物流会社のスタッフでも考え方は同様です。
世の中はサプライチェーンで成り立っているわけですから、その一部だけの輸送や保管だけを知っているだけでは荷主によいサービスを提供できるわけがありません。
物流タコつぼにはまらないように、大局的にものごとを見ていくことができるスキルを身につけていきたいものです。
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