荷主会社が抱える物流課題として毎回俎上に上がるものとして「在庫」があります。在庫といってもそれが多いことが特に問題になっているのです。
在庫は「罪固」と揶揄されることもありますが、顧客に迷惑をかけない程度で少なければ少ないほど良いとされることが多いのではないでしょうか。
一方で在庫に困っていると言いつつもそれだけ在庫を持つ理由がわかっていないことがあります。在庫を持つためにはそれなりの理由があるはずです。
安全在庫という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。これは名前が示す通り何か想定外の事態が発生した時に供給を切らさないために保有する在庫のことです。
例えば設備トラブルがあると製品を生産することができません。その間在庫が無ければ得意先に未納を発生させてしまう可能性があります。
未納を発生させるわけにはいきませんので、2時間分の安全在庫を持ちましょうということになります。2時間分の根拠は過去の設備トラブルの実績から求めます。
たとえば過去に最大停止時間2時間のトラブルに対して4時間分の在庫を持つとしたらその在庫は多すぎるということになります。
担当者は自分の責任で未納を犯すことを恐れますので必要以上に在庫を持ちたがります。この担当者の心理的な問題から持つ在庫のことを「安心在庫」と呼びます。
以上のように在庫の理由を明確にすることが真っ先に実施しなければならないことです。そして必要以上に持っている在庫から優先的に削減していくことになります。
逆の見方をしますと明確な理由の無い在庫は安心在庫として削減することです。
さていつも申し上げていることですが在庫は「結果」です。買いすぎの結果として在庫が発生します。つくりすぎの結果として在庫が発生します。販売予測が外れたあるいは売れなかった結果として在庫が発生します。
そして先ほどの例として「設備トラブル」が発生することでその対応在庫が発生するのです。ということで在庫を改善するためには「その元」を絶たなければなりません。
物流で言えば「まとめて運ぶ」ということになるとその分だけ在庫が必要になるのです。そこでまずはその発生要因について明確にしていきましょう。
次回に続きます。
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