皆さんは日々改善を進めていらっしゃると思いますが、作業改善と工程改善の違いはご存知でしょうか。この点について一緒に考えていきたいと思います。
作業改善とは個々の作業を単体でとらえ、その作業そのものについて改善していくことというのが一般的な考え方です。この作業改善は別の見方をすれば「点の改善」と呼ぶことができるでしょう。
一方で工程改善は個々の作業にとどまらず、作業と作業の間を含めた「モノの流れ」の改善を指すことが多いようです。この工程改善は「線の改善」と呼べると思います。
物流と言うとモノの流れそのものだから工程改善だろうと考えがちですが、そうとも言い切れません。なぜなら物流にもその場で行う作業はいくらでもあるからです。
たとえば「梱包作業」を考えてみましょう。段ボール箱を組み立てる作業があると思いますが、この作業性を改善し工数低減を図ることは作業改善になります。
では組み立てた箱に製品を格納する作業はどうでしょうか。箱を置く位置を床から作業台上へと変更し、格納しやすさが向上したとすればそれも作業改善になります。
このように物流作業の中には定位置で行う多くの「単体作業」がありますから、それらの作業をどんどん効率化していく「作業改善」にまずは取り組んでいきましょう。
この作業改善のポイントはいつも申し上げていることですが、作業の中に付加価値作業以外が含まれていれば、それを取り除くことを考えていくべきでしょう。
付加価値作業とはお客様の立場から見て、「お金を払っても良い」と判断される作業のことを指します。
明らかにお金を払っていただくことが憚られる作業は無付加価値作業になりますから、まずはそれら無付加価値作業を「なくす」改善を実施します。梱包に使う資材や道具などを探す行為があったとすれば、それをなくすために5Sを徹底して行い、置場を明確化することで改善することができます。
次回に続きます。
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