モノがある限り物流は存在します。モノはタダで運ばれるわけではありません。運び方次第でそれに対する対価は変わってくるのです。
物流費は製品の形状にも大きく左右されます。製品にちょっとした突起がついているだけで、物流コストは大きく変わります。
その意味でも製品設計が物流費に与える影響は大きいと考えるべきでしょう。もちろん、製品のバリューというものは最優先で考えなければなりません。
しかしあまりにもそのバリューだけを意識しすぎたために、複雑な形状の製品が出来上がってしまったとしたらどうなるでしょうか。
その製品を運搬する際に品質を保護するための梱包がより厳重なものになるかもしれません。その結果として梱包コストが上がります。そして輸送コストが上がります。
そこで物流を意識した製品設計というものが求められるのです。ここは設計担当の腕の見せ所です。形状を複雑化するのではなく、輸送した時の効率も意識するのです。
購買部門もサプライヤーからもらう見積もりでは物流費を明らかにする必要があります。大抵の購買担当者はその他の管理費の中に物流費を入れ込んでしまっています。
果たしてその部品を納入してもらう際にいくらかかっているでしょうか。それを明確にすることはバイヤーの責務だと言えるでしょう。
製造部門は生産遅れによって出荷トラックを待たせていませんでしょうか。これは明らかにコストです。本来であればこの待機時間に対して対価を支払うべきです。
しかし、これもほとんどの会社が支払いを行っていません。この状況は製造部門の物流に対する意識が低いから、と言わざるを得ません。
このように一つひとつの部門が物流を意識しないことによるロスは大きなものだと考えられます。逆に今からでも物流について意識することで、そのロスを解消できると考えるべきでしょう。
まずは会社の中で発生している物流費を見える化しましょう。その上で、それについてどれくらい改善していくのかを社内で共有化します。
結果的に利益を押し上げることになりますので、結構おいしい活動になると思います。ぜひ取り組んでいっていただきたいものです。
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