共同配送は届け先が同じという条件があります。意外となさそうで実際にはあるのが共通届け先です。特にB to Bではよくあることです。
自社の工場が所在ずる工業団地に同業他社が所在していたとします。そして届け先が同じ得意先の場合があります。このようなケースでは確実に共同配送すべきですね。
大抵の会社は独自にトラックを配車していますが、意識的に共同配送を行うパートナーを探してみるとよいと思います。
次に共同輸送について確認していきましょう。比較的運搬距離が長いものを輸送と定義しましょう。たとえば関東地区から関西地区への輸送です。
この場合、届け先が必ずしも同じでなくてもメリットがあります。A社の届け先が大阪市内、B社の届け先が神戸市内ということはよくあることです。
まずA社の届け先で荷降ろしし、次にB社の届け先である神戸に移動します。共同輸送のメリットは輸送距離が長ければ長いほど効果が大きい可能性があります。
ですから、積み込み時に2箇所立ち寄り、荷降ろし時に2箇所立ち寄りのようなシンプルな輸送の場合には非常に取り組みやすいと考えられます。
このような共同輸配送を行ってみるとあることに気づくと思います。そのあることとは、「荷姿が異なり、箱同士が積み重ならない」という現象です。
それもそのはず。荷姿は業界で統一でもしない限り、個々の会社で決めるからです。そうなると大変です。せっかく計算上はトラックに混載が可能でも、実際には積み合せられないということが発生するのです。
そこで共同輸配送に合わせて考えるとよいのが「容器の共同利用」です。製品の大きさや材質などの特性がまるっきり異なる場合には難しいかもしれませんが、それが似通った会社間では十分成立する可能性があります。
この容器の統一は輸配送の共同化の効果を著しく向上させるものです。単に共同輸配送を行う企業間で行うことはもちろんですが、できれば業界として容器を統一するとよいと思います。
簡単なアイテムではありませんが、トラック積載率を向上し、トラック台数を減らすためにうってつけの改善アイテムです。ぜひ前向きに検討したいものです。
次回に続きます。
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