一貫荷姿を崩して供給荷姿に変換するのは工場内物流の重要な役割です。しかもそのコストは工場内物流、物流部門で持つべきでしょう。
なぜなら一貫荷姿は物流コストを下げるために使われるのであり、少なくとも工場に入るまでは物流コスト低減を享受しているからです。
コストはその儲かった物流コストから捻出して実施すると考えるべきでしょう。
顧客のことを考えない「わがまま物流」だと一貫荷姿をそのまま生産工程に届けることになります。これを行う物流は、一貫荷姿はその名の通り最初から最後まで荷姿を変えずに運ぶから効率が上がるのだともっともらしいことを言います。
まさに顧客の方を見ずに自分たちのことしか考えない論法ですね。このような対応こそが物流の地位を落としていると言えるのではないでしょうか。
実は生産工程が使う順番で容器から取り出して部品や資材を供給するということは「生産工程の効率化」に大いに貢献していることになります。
仮に工場内物流で工数がかかっても生産工程が儲かるわけですからそれでOKです。ここでセクショナリズムを振りかざして物流の工数増を声高に叫ぶことはナンセンスです。
次にメーカー物流、特に工場内物流で取り組むべきことはものを届けることを通じて生産コントロールに寄与することです。
メーカーでは生産計画通りのものづくりを行うことが第一の使命になります。自動コンベアがあり、その上でものづくりを行っているようなケースではコンベア自体が動いているためそれが生産ペースメーカーになるのです。
しかしそうでない場合は往々にして生産作業者によって遅れ進みが発生しがちです。これを少しでも縮めるために物流が貢献することが求められるのです。
では実際に工場内物流はどのような仕事をしていったらよいのでしょうか。そのために次のような仕事を行うのです。
『生産計画分の部品と完成品用容器、生産指示情報(納入ラベルやかんばん)を生産着手の直前に生産工程に届ける』
この意味合いはご理解いただけますでしょうか。「生産計画分」というところがポイントです。多すぎても少なすぎてもだめです。生産する数ぴったりを届けるのです。
皆さんは7つのムダをお聞きになったことがあるかもしれませんが、この内最悪のムダといわれるものに「つくりすぎのムダ」というものがあります。
つくりすぎることによって余分な在庫や容器、保管場所や管理などが発生します。しかもそもそもつくりすぎるということは工数に余裕があるということになるわけです。
次回に続きます。
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