メーカーでは各社とも在庫削減を大きな課題として掲げています。そして実際に在庫を削減するために、調達方法の改善や生産方法の改善にも取り組んでいるわけです。
なぜなら在庫は何かしらの活動の結果として発生するからです。その中心となるのが調達であり生産であるわけです。
そして忘れてはならないものが販売でしょう。受注生産であれば余剰在庫は発生しませんが、見込み生産を行う場合はその発生が十分考えられるのです。
大抵の場合、需要予測は過去の販売データから行います。どの季節にどの製品がよく売れたのか、それを分析することで、かなりの確率で販売予測が立つと聞いています。
このような見込みである程度の在庫を保有しなければならない場合には、その保管用の場所を確保しなければなりません。
メーカーは保管設計をしっかりと行うことになります。そしてその保管場所をどこに配置したらよいのか。この点についても十分な配慮が必要です。
工場は全国に分散させて設置することは困難です。生産設備の能力を考えると、できるだけ集約して設備を目いっぱい使うことでモノづくり効率を向上させたいものです。
一方で物流倉庫は生産設備のような大きな投資は発生しません。極論すると、倉庫建屋さえあれば運用が可能となります。
そこで、お客様へのリードタイム短縮を考慮し、全国に複数箇所設置することが考えられます。日本は国土が広いわけではありませんから、受注した翌日にお届けすることはそれほど難しい話ではありません。
もし翌日配送を前提とするならば、日本に2箇所物流センターを設置することが好ましいでしょう。
お客様のオーダーに対して、在庫切れを起こすことは望ましくありません。しかしだからといって、必要以上の在庫を抱えることは非効率です。
よく欠品を恐れるあまり、膨大な在庫を抱えている会社があることが気になります。営業担当者にとっては怖いので在庫があれば安心なのでしょう。
しかし保管にはコストがかかります。倉庫が必要だし、その管理も必要です。この在庫とコストのバランスを意識していくことが重要になってくるわけです。
次回に続きます。
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