自社の工程を改善するとともに、サプライヤーの支援も行う。こういった仕事ができる人財を育成していく必要があります。
そこで、まず自社内のスタッフがどのようなスキルを身につける必要があるのかを考えていきましょう。
まずは物流全般について。これは物流基本5機能についての知識とそれを実行あるいは管理できるスキルが求められます。
つまり、「輸送」「保管」「荷役」「包装」「流通加工」の5つについての理解です。そして忘れてはならないものがあります。それはこれらの仕事を効率的に回していくために必要な「情報」機能に対する理解です。
この5機能+情報機能の内、「流通加工」は極めて「流通寄り」の定義になっていますので、メーカーであればもう少し高度な水準を求めたいものです。
つまりこれについては「流通加工」というよりも「加工」そのものと考えた方が良いと思います。物流のついでに行うのではなく、主体的に付加価値作業を行うのです。物流の過程では輸送効率を考慮すると、組立工程を下流で行った方が効果的な場合が多々あります。
そこで、物流では「運んだ後に組み立てる」という仕事の組み方が有効になるわけです。この行為を物流で行うことがメーカーで求められる「流通加工」なのです。
もちろん、自分たちが直接手を動かすだけではありません。外注先にやってもらうことでも問題ありません。その場合は、それをしっかりと管理できるスタッフを育成していくことが重要になるのです。
スタッフの重要なスキルに「判断業務」が挙げられます。つまり、先の例でいけば「どこで組立を行うことが有利なのか」を判断できるということです。
もちろん、最終判断は会社の上層部が行うにしても、そこに提案できる能力が求められるのです。その際に重要なことは「数値で示す」ことができること。
何事も「数値化」し、それで人を説得できる能力が求められるのです。物流は歴史的に「KKD」、つまりカン・コツ・度胸で動いてきた背景があります。
物流人員も物流機器も何となく決めてきたのではないでしょうか。これでは望ましい管理ができているとは言えませんよね。
そこで、人財を育成する際には、必ず数値化して物事を判断させる癖をつけさせましょう。サプライヤーに納得してもらうためにも、このスキルは最重要であるとも言えるのです。
次回に続きます。
■工場内物流改善のセミナーを実施します!
『工場内物流改善基礎実務』
日 時:2016年11月22日(火)9:30~17:00
場 所:(株)グローバルテクノ
東京都新宿区下落合1-5-22 アリミノビル 4階
詳細は以下をご参照ください。
http://www.gtc.co.jp/semn/iso9000/kmh.html
■日刊工業新聞社 工場管理 新連載スタート!
「工場全体を効率化できる 物流のトリセツ
『第1回物流タコツボ論を解消して工場改革に貢献せよ』」
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0007
■日刊工業新聞社 プレス技術 好評連載中!
「暗黒大陸の物流改善大作戦 ~プレス工場を大変身させる秘密の裏ワザ~
『第14回 保管品質向上と倉庫改善取組みのポイント』」
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0003
■プレス技術12月号の特集記事として掲載されました!
「プレス自動化(無人化)における工場物流のポイント」
http://pub.nikkan.co.jp/magazines/detail/00000581#index
★物流インターネットセミナーを始めました!★ ダイジェスト版をご覧いただけます!
『成功の秘訣はココにあった!達人が伝授する荷主会社のための物流アウトソース戦略』
https://www.youtube.com/watch?v=cX5M0n9tA-Y
『中小物流会社のための事業拡大戦略~荷主会社OBが本音で語る 取引したくなる物流会社~』
https://www.youtube.com/watch?v=QarBkSVoxCI
『消費増税はライバルより一歩抜きん出る絶好のチャンスだ!~荷主から選ばれる会社に変身する黄金ルール』
https://www.youtube.com/watch?v=ZBw0o-_BlnE
物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/