在庫を金額で評価すること自体は間違っていませんが、物流の観点からは現物在庫を見ていく方がより実際的な管理ができると思われます。
部品発注を事務所で行うと、現場にどれくらいの在庫があるかリアルでわかりません。端末には在庫数と在庫金額が示されていますが、そのボリュームがどれくらいあるのかはなかなか想像がつかないのではないでしょうか。
在庫金額は小さくても、嵩が張るもので数量が大きいと在庫管理に苦労します。置ききれない在庫をあっちに持って行き、こっちに移動させ、と物流現場の労力も大きいものとなります。
ですから原則として実際に現物管理を行う部署で部品発注を行うことをお勧めします。この役割変更がメーカー物流改善に寄与することは間違いありません。
物流現場では日々在庫を動かしていますから、いつ、どれだけ発注すれば生産現場に支障が出ないのかは肌感覚で分かっています。そういった人たちに管理を任せることがベストなのです。
これは外部倉庫でも同様です。外部倉庫で在庫保管と入出庫作業をやっている場合です。このケースでは物流業務をアウトソースしていますので、部品発注業務も併せてアウトソースすることになります。
物流現場で在庫の数量管理をやってはいるものの、在庫コントロールまでは手を出していないケースが見受けられます。
在庫コントロールとは、生産や発注行為を通して実際に在庫を増減させることです。もちろん、生産や発注の戦略というものもあるでしょう。
したがって物流現場では戦略情報も知っている必要があります。その考え方の範囲内で生産指示や発注をかけていくことになります。
メーカーの物流改善では在庫改善が最も重要です。そこで発注の次には生産管理を考えていきましょう。生産現場で在庫コントロールするためには物流でしくみ化することも必要です。
生産現場では在庫数を一定とし、その数量を切ったところで自動的に生産指示がかかるようにすることが望まれます。
台車を使った在庫コントロールがよく行われています。そのしくみを説明しておきましょう。
まず在庫数量を定めます。たとえば在庫数を120個と決めたとします。台車には40個載せられるとすると、3台車が定量ということになります。
この内1台車が出荷されたとします。そうすると1台車分在庫が減りますから、出荷された後の空になった台車を生産工程に届けます。生産工程はその台車分だけ生産することになります。
次回に続きます。
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