皆さんが物流会社の立場で顧客の仕事を請け負う場合、「在庫管理」という業務についてどのように考えますでしょうか。
在庫管理と言いましてもその範囲は広く、顧客から預かった荷物の品質を管理すること、数量を管理すること、在庫量が適正となるように保つこと、そのためのアクションを自ら行うことなど多岐にわたります。
ほとんどの物流会社の方が「品質を保つこと」が在庫管理であると考えられています。それ以外は顧客の仕事であるというスタンスです。
この考え方は間違っていません。保管業務を顧客から言われたとおりに実行するだけであれば、最低限預かった時の状態を保持することが物流会社の役割だと言えそうです。
もし昔ながらの運搬業務や輸送業務、保管業務だけを行うのであればこういった考え方でも間違いはありませんが、一方でその仕事だけで高い単価をつけることはほぼ不可能です。
なぜならこういった単純な仕事であればどの会社でもできる上、会社間で差がつかないからです。顧客は入札を繰り返し、最も価格の安い会社に発注します。
むしろ物流会社は「顧客から預かった荷物の品質を管理すること」は当たり前として、さらに「数量を管理すること」、「在庫量が適正となるように保つこと」、「そのためのアクションを自ら行うこと」が求められていることに気づくべきでしょう。
顧客は何に困っているのか、何を欲しているのかについて常に提供側は考えなければなりません。そしてそれに気づいたら、その状態を「物流商品」として提供することでお金をいただいて解決することを考えなければなりません。
これが物流会社のバリューになります。
特にメーカーの場合は極力在庫が最少となるようにさまざまな工夫を行っています。サプライチェーン全体の在庫が最少となればリードタイムが短縮し、顧客へ届ける納入リードタイムが短くなります。
メーカー物流のキーワードは「リードタイム短縮」です。だからこの点を念頭に置いて物流商品を考える必要があるのです。
次回に続きます。
物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/
工場管理 好評連載中! 1月号「工場収益をメキメキ向上させる!工場管理者のための物流アウトソース成功の秘訣 第4回 正しい物流アウトソースのステップ(2)」
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0007