メーカー物流の勘所はどこにあるのでしょうか。物流会社がメーカーの物流業務を受注しようと思っても、この点について正しく理解していないと受注はおろか提案も受け入れてもらうことはできないでしょう。
メーカーは単なるものづくりの機能を持っているだけではありません。市場のニーズを的確に把握し、資材や部品を調達してそれを加工、組み立てし、超短納期で製品をお客様に届けることにあります。
つまりメーカーの機能はサプライチェーンそのものにあると言っても過言ではありません。もし物流会社がメーカーから仕事を取りたいのであれば、このサプライチェーン業務ができるかどうかが分かれ目であると言えるでしょう。
単にものを移動させるという機能ではなく、在庫管理をどうするか、運ぶタイミングとスピードをどうするか、パッケージング機能をどうするかなど、物流的な役割は多岐にわたっています。
メーカーの中でも物流を単なるものの移動ととらえている向きもあります。しかしとどまるところのない国際競争に生き残るためにはやはりサプライチェーンという視点で考えていかなければならないと思います。
メーカーにとっての物流の最大の狙い目はどこにあるのでしょうか。もちろんコストを最小限に抑えることは当然ですが、一番気にしなければならないのは「リードタイム」だと思います。
極力短納期でものを調達し、超短納期で加工・組立を行い、短納期でお客様に製品を届けるのです。お客様は欲しいと思った時に製品が手に入らない場合、他社製品に乗り換えてしまいます。
つまりメーカー物流はスピードが命だと言えるでしょう。そこでこのスピードについて目標を定め、それを実現できる方策を考える必要があります。
では個々の物流についてその方策について考えていきましょう。
まず調達物流についてみていきましょう。日本には真の調達物流が無いと言われます。なぜならサプライヤー側がお客様にものを届けることが日本の商習慣だからです。
もちろん、サプライヤー側がお客様(この場合は工場)に届ける際に超短納期を意識して対応できるのであれば問題はありません。しかしサプライヤー側の発想は必ずしもそうではなさそうです。
次回に続きます。
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