物流は2つに分けることができます。1つはオペレーション前の活動、もう1つはオペレーション開始後の活動です。
オペレーションとは生産活動であり、販売活動であり、調達活動であったりします。企業活動そのものです。
これらの活動開始前の物流とは物流設計を指します。この物流設計はエンジニアリング活動と言い換えることができます。
物流は最初が肝心といわれます。なぜなら最初に決めた物流はその活動が続く限り無くならないからです。物流を無くしたいのであれば最初に物流が発生しない設計を行わなければならない、ということになります。
生産活動前の物流設計では工場の設計が挙げられます。工場ではモノの運搬はムダであると判断されます。
そこで生産技術の担当者は工場内レイアウトを極力物流が発生しないように組んでいきます。残念ながら運搬が発生してしまうレイアウトになってしまう場合、その運搬をできるだけ効率よく行うことを考えます。
たとえば製品はコンベアで自動搬送したり、部品であれば取り付け工程までAGV(無人運搬車)で運搬したりすることを考えます。
つまり生産活動が開始される前に物流の効率化を織り込むことが行われているのです。ここでエンジニアリングとしての物流が行われていると考えられるのです。
物流倉庫の設計もエンジニアリングの一環として行われます。特に人手がかかり、エルゴノミクス的に問題がある工程は自動化します。
たとえば仕分け工程や重量物の運搬などが自動化されます。もちろん自動化だけがエンジニアリングであるわけではありません。
必要スペースを計算して確保することや、人の作業領域は間違いが発生しないように照度を確保することもエンジニアリングです。
人が判断することによるエラーを防止するためにポカヨケを導入することもエンジニアリングの一種です。
以上のように物流設計、企画を行うことはエンジニアリング業務であり、それを正しく、効率的に行えるエンジニアを育てていくことが求められるのです。
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