物流会社に仕様書を提示する際には必ず対象会社を集めて「仕様説明会」を実施しましょう。すべての会社に同じ情報を流すことで理解の共通化と公平性を確保することが可能となるからです。
できればその場で質問を受け付け、すべての会社にその回答が伝わるようにした方が良いと思います。
後日物流会社からプレゼンテーションを受けるとともに価格見積もりをもらった段階で最終選考に入ります。
ここでしっかりと準備しておかなければならないことがあります。それが選考評価基準です。その基準に従って、公正に評価を行うことが重要です。この評価に恣意性を入れないことを心がけておきましょう。
よくアウトソース先を選定する際に価格だけで決めてしまう会社を見かけます。しかしこれは非常に危険です。なぜなら初めての取引先であれば「ハネムーン価格」を提示してくることがよくあるからです。
価格以外の要素はRFIや現場チェックなどである程度は把握できていますので、それほど危険度は高いわけではないのかもしれません。しかし最終的には価格だけではなく、総合的に判断することをお勧めします。
判断材料として、「技術点」、「価格点」、「提案点」の3つのカテゴリーを設けると良いのではないかと思います。
「技術点」では自社の業務を行ってもらうための物流インフラの状況や物流技術力などを評価します。このウエイトは30%くらいでいかがでしょうか。
「価格点」はそれだけの評価は危険ですが一方で重要な要素であることに変わりはありません。提示した仕様に合わせた価格なので、各社のレベルを比較しやすい順に評価します。ウエイトは40%くらいで良いと思います。
「提案点」はプレゼンテーションの中で報告してもらう提案の内容を評価します。今後長い付き合いを行っていくに当たってはこの提案を重視すべきです。ウエイトは30%くらいに置いておきましょう。
これらのカテゴリーの点数を合計して「数字」で判断します。繰り返しになりますが、恣意性を排除し評価するための基準が大切です。あらかじめの準備をしっかりと行うことで物流アウトソースの成功につながるのです。
物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/
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